萩焼 琵琶釉 抹茶碗
日本の伝統陶磁器工芸品「萩焼」から、抹茶碗の紹介です。
日本工芸会正会員の田中講平による、琵琶釉を用いた萩焼、抹茶碗。
内側と外側に白を使用をし、気品と力強さが融合した茶碗です。
置いているだけで存在感があります。
釉薬のかけ具合が生み出す絶妙な偶然性が特長の萩焼。
その萩焼らしさが、よく表現された抹茶碗。
萩焼は、古くから「一楽二萩三唐津」と謳われるほど茶人好みの器と言われています。
やきものの素地と釉薬のバランスが生み出す独特な感触と芸術性。やきもののぬくもり、柔らかさ、親しみやすさが溢れでた魅力的な陶磁器です。
茶人好みの器、萩焼
萩焼は、古くから「一楽二萩三唐津」と謳われるほど、茶人好みの器を焼いてきたことで知られる焼き物です。萩焼の特徴は原料に用いられる陶土とそれに混ぜる釉薬の具合によって生じる「貫入」と使い込むことによって生じる「七化け」があります。貫入とは器の表面の釉薬がひび割れたような状態になることで、七化けとはその貫入が原因で、長年使い込むとそこにお茶やお酒が浸透し、器表面の色が適当に変化し、枯れた味わいを見せることです。
一楽 二萩 三唐津
萩焼は焼き上がりが軽く、装飾面も素朴で、わび茶のムードによく似合います。このため、全体としての柔らかさの点で京都楽焼には及び難いが、がっしりと焼きが固く、絵付けの華やかな唐津茶碗よりは茶陶としては優れていると言われています。 また、萩焼は焼き上がりが柔らかいので、水洗い、持ち運びなどに際して壊れやすいという難点もありますが、萩焼より柔らかな楽焼きの取り扱いには最新の注意を払うという必要があり、唐津ほど適当に取り扱えないと言われています。萩の七化け
萩焼の胎土(原土)には浸透性があり、しかも低火度焼成で焼き締まりが少ないため、使用するにつれて比較的短期間に表面釉薬の貫入を通して茶がしみ込み、器体の内外ともに色合いが変化してきます。1つの茶碗を大切に使っていくと、その色、つやが時代とともに微妙に変化して何とも言えない風情を醸し出します。茶人の間では、この変化を珍重して「萩の七化け」と称されています。
[出典]萩焼屋