木工 藤井敏男 神代杉飾箱
木工芸作家、藤井敏男 (フジイ トシオ) による、飾箱です。
2010年の制作。
指物(さしもの)と呼ばれる技法で、緻密かつ精工に制作されています。
木工芸は、技法の種類が多く、板を組み合わせて箱などを作る指物、木塊を手作業で刳り抜いて器などを作る刳物、木材を轆轤で回転させながら刃物で削る挽物、薄板を環状に曲げる曲物などの造形技法のほか、異なる素材をはめ込む木象嵌などの装飾技法があります。
指物は、広義には、釘などの接合道具を使わずに、木と木を組み合わせて作られた家具・建具・調度品などの総称です。
日本語による狭義では、日本の伝統工芸品の指物およびその技法のみを指しています。
指物技法は、木を削ったり彫ったりして、つぎ手と呼ばれる凸と凹の部材をつくり、それらを直角に組み合わせて箱などの作品をつくります。
木目の組み合わせを考えて、木を正確に切ることが、最初の一歩で、肝心な心得です。
金属のクギなどを使わないで組み立てることが、指物の特徴です。
計算された組合せによる、美しい木目模様が目を引きます。
各パーツが、巧みに組み合わさり、味わい深い模様が表現されています。
指物にて杢目の繫がりを意識しています。
使用材は欅、楓、栃など。
藤井敏男は、香川県高松市にて木竹工芸家の柴本清甫氏に師事。
平成4年に、日本工芸会正会員に認定されました。
[出典]ギャラリージャパン