輪島塗 漆創池昭 乾漆香炉 金地蒔絵 松竹梅
日本の高級漆器工芸、「輪島塗」の香炉です。
石川県輪島市で生産される漆器、輪島塗。「漆創池昭」は、石川県・能登半島の北部に位置し、漆器の一大産地である輪島にあります。乾漆の技術を発展させ、独自技法による輪島塗を創作しています。
一本の漆の木から採れるわずかな樹液と麻布だけで塗り重ねられる脱乾漆の技法で制作した、極薄で且つ強度がある複雑な形状の素材に、輪島塗伝統の加飾がされています。
その緻密さと巧みさは溜息が出るほどの仕上がりです。
輪島塗としてスタンダードなのは、素地に木地を使ったもの。木地を磨き、木漆と米糊に地の粉を混ぜたものを塗り重ね、中塗り、上塗りを経て加職が施されます。
これに対し、「漆創池昭」が手掛ける輪島塗はベースに木地を使わない、乾漆製法によるものです。
これは古来、仏像などに用いられた伝統の製法で、石膏や粘土などで型を造り、その中に麻布と漆を何層にも塗布し、それを型から外すことで素地を造ります。「漆創池昭」の乾漆は、その技法を発展させたオリジナルの製法。凹凸型など多彩な型を使い分け、麻布の他に和紙も使用し、多彩な形を造ります。素地が完成した後の工程は、木地を使った輪島塗と同様で、磨き、塗りを何度も重ねることで堅牢さと美しさを培います。
塗師による一般漆器各種素地同様の工程により無地の器物が完成します。大きい物では仏像、獅子頭又、伎樂面の製作に応用され、多数の逸品が現存しています。
脱乾漆法は、椀木地、角物木地、曲物木地、朴木地等で成型至難な形状の素地を製作する妙味があります。いやゆる、全てが漆芸家によるオリジナル作品。
彫工や、種々の技法を模索しながら、手間を掛けて仕上げます。
こうして古い技法の堅固性と、新たな技法を駆使して「くるい」なく「やせ」なく、また、乾漆独特の「手触り」の趣を有し、高級漆器の乾漆きゅう漆素地として完成させています。
この香炉は、漆器の伝統技法である、蒔絵を用いて、制作されています。
蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。蒔いて絵にするという意味から蒔絵といいます。研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵などのつくりかたがあります。
蒔絵にて松竹梅をモチーフに加飾されています。
その仕上がりと美しさは、漆器の奥深さと伝統の重みを感じさせます。
また、上の蓋と下の器がくるいなく、心地よく合わさる仕事は、「漆創池昭」の得意とする所です。
輪島塗
輪島塗は、石川県輪島市で生産される漆器。
厚手の木地に生漆と米糊を混ぜたもので布を貼って補強し、生漆と米糊、そして焼成珪藻土を混ぜた下地を何層にも厚く施した「丈夫さ」に重きをおいて作られている漆器です。
輪島塗は、非常に高価な印象がありますが(実際、高価ですが)、それだけに、その卓越した技術・美しさは目を見張るものがあります。
堅牢優美を誇る輪島塗は、木地→塗り→加飾と工程が細分化され分業されています。多くの手間暇と工程を経て制作されます。輪島独自の工程を経て、初めて輪島塗と冠することができるブランドです。
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