ファベルジェの卵 モスクワ・クレムリン宮殿 1906
ファベルジェの卵 モスクワ・クレムリン宮殿 1906
( Fabergé Imperial Eggs Moscow Kremlin 1906 )
ファベルジェの卵シリーズです。
ファベルジェの卵は、ロシアを代表する貴金属工芸の名作。
ロシア王室ご用達であった、宝飾・金細工師、ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) による、ロシア王室の為に制作したイースター・エッグです。
今回の作品は、1906年制作の「モスクワ・クレムリン宮殿 ( Moscow Kremlin ) 」です。
「モスクワ・クレムリン宮殿」は、ファベルジェの卵作品の中でも、ずば抜けて、サイズの大きい作品です。
本作品は、モスクワの生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)のアーキテクチャに触発されて制作されました。
乳白色のホウロウで制作された、大聖堂のドームは取り外し可能となっており、精工な細工を施した協会の内部を見る事が出来る仕組みとなっています。
塔は、ロシア帝国の紋章とモスクワの紋章が盛り込まれています。
このエッグの、”驚き”は、音楽です。
卵にはゴールドのオルゴールが仕込まれており、金の鍵を使って、時計仕掛けのオルゴールを作動させ、伝統的なイースターの賛美歌を演奏させる事が出来ます。
素材は、オニキス、金、エナメル、ホウロウ、ガラスなど。
高さ361mm、幅185mmです。
本作品の現在の所有者は、モスクワのクレムリン博物館です。
ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) とは19世紀末から20世紀初頭にかけてロシア王室ご用達となった宝石商・金細工師です。
インペリアル・イースター・エッグでよく知られています。
ファベルジェがロシア王室の注文を受けて製作された数多くの宝飾品や飾り物、文房具、時計等、膨大な工芸品が残されています。ロマノフ家のアレクサンドルIII世とニコライII世の注文でそれぞれの皇后と母后のために製作されたインペリアル・イースター・エッグと呼ばれる作品群はその独創性に溢れる美しさと、精緻を凝らした仕掛けとで歴史上屈指の工芸美術品として名高いものです。
ファベルジェの卵とも言われます。
1885年から1917年の間に58個作成されたとされますが、数については異説もあります。
現存が確認されず、行方不明となっているものも多くあります。
[出典]Apollo Magazine