ファベルジェの卵 グリザイユ 1914

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ファベルジェの卵 グリザイユ 1914 ( Fabergé Imperial Eggs Grisaille 1914 )
( Fabergé Imperial Eggs Grisaille 1914 )

ロシアを代表する貴金属工芸の名作シリーズ、ファベルジェの卵です。
ファベルジェの卵は、ロシア王室ご用達であった、宝飾・金細工師、ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) による、ロシア王室の為に制作したイースター・エッグです。
今回ご紹介するのは、1914年に制作された、「グリザイユ(あるいはエカテリーナ大帝)- Grisaille (also known as the Catherine the Great Egg)」です。

この卵は、ニコライ2世によって母マリアに贈られた卵です。
エカテリナ大王をテーマにした肖像画を、グリザーユ画法を用いて作られています。
グリザーユ画法とは、美術の技法で、墨絵のように灰色一色をその濃淡と明暗とで絵を書く技術。一度単色で画面を完成させ、そこから彩色を経て作品を完成させる手法です。
グリザイユとはフランス語で「灰色」の意味。

卵の8枚のパネルにグリザイユ技法のカメオでミューズが描かれています。

この卵の仕掛けは、エカテリーナ女帝の乗った自動機械仕立ての輿です。
王冠を戴き白テンの豪華な衣装を纏うエカテリーナ大帝は半透明のエナメルで仕上げられています。
金の輿には鷲の紋章が彫りこまれ窓は水晶で出来ており、自動仕掛けがセットされると制服の黒人の従僕がゆったりと荘厳に歩み始めます。

その優雅さと美しさとを称えてマリア皇太后はファベルジェに「あなたは比類のない天才よ!」と賞賛の言葉を与えたと言われています。

グリザイユは1930年にソヴィエト政府により売却され、現在は、ワシントンDCのヒルウッド邸美術館の収蔵品となっています。
ただし、仕掛けの輿は、別なルートでヨーロッパを転々として、1985年ジュネーヴのオークションにて143万スイスフラン(当時のレートでおよそ1億3千万円)で落札され話題となりましたが、現在は所在不明です。
 

ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) とは19世紀末から20世紀初頭にかけてロシア王室ご用達となった宝石商・金細工師です。
インペリアル・イースター・エッグでよく知られています。
ファベルジェがロシア王室の注文を受けて製作された数多くの宝飾品や飾り物、文房具、時計等、膨大な工芸品が残されています。

ロマノフ家のアレクサンドルIII世とニコライII世の注文でそれぞれの皇后と母后のために製作されたインペリアル・イースター・エッグと呼ばれる作品群はその独創性に溢れる美しさと、精緻を凝らした仕掛けとで歴史上屈指の工芸美術品として名高いものです。
ファベルジェの卵とも言われます。
1885年から1917年の間に58個作成されたとされますが、数については異説もあります。
現存が確認されず、行方不明となっているものも多くあります。

ファベルジェの卵 グリザイユ 1914 ( Fabergé Imperial Eggs Grisaille 1914 )

ファベルジェの卵 グリザイユ 1914 ( Fabergé Imperial Eggs Grisaille 1914 )

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[出典]Presentwatch
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