ヴェネチアガラス アルフレッド・バルビーニ 花瓶 アシッドエッチング コロッソ
( Venetian Glass Alfredo Barbini Acid-Etched Murano Corroso Vase )
偶然が生み出す美学。
アシッドエッチング(酸処理)された存在感溢れるガラスの花瓶です。
イタリアの伝統ガラス工芸「ヴェネチアガラス」の作家、アルフレッド・バルビーニ ( Alfredo Barbini )の作品。
アルフレッド・バルビーニは、ヴェネチアガラスのマエストロの中でも巨匠と評される作家です。
コロッソ ( Corroso ) と呼ばれる技法で制作されています。
コロッソは、「腐食」を意味しており、硫酸等の化学物質により酸処理を施し、ガラス表面を腐食させ、表面を崩壊させます。その結果、ガラス表面にラフな層が形成されます。この偶然の産物による不均一な層は、光の部分的な拡散および反射の効果を引き起こします。
コロッソは、20世紀初頭にフランス人によって導入されました。1930年代にはヴェネチアガラスの産地、イタリア、ムラノで花瓶等の作品にこの技法が適用されました。
コロッソが生み出す不思議な味わいと濃い緑のコントラストが印象的です。ガラスのボリューム感に溢れる存在感ある作品。
アルフレッド・バルビーニは、ヴェネチア、ムラノ島の有名なガラスメーカー、ジーノ・セネディス&C ( Gino Cenedese&C ) の前身である ヴェトレリア ( Vistosi ) で、ガラス吹き職人のマスター及びデザイナーとして働いた後、1950年に彼自身の工房、Vetreria Alfredo Barbini を立ち上げました。
ヴェネチアガラスのマイスターの中でも巨匠と評され、実に存在感溢れ、独特の世界観を持つ作風のガラス芸術作品を数多く残しています。
ヴェネチアガラス(VENEZIAN GLASS)
ヴェネチアガラスは、700年以上もの歴史と伝統を今に伝えています。もちろん、その名のとおり中心地がイタリアのヴェネチアであることは言うまでもありません。中世のヴェネチアは、世界貿易の中心となる過程で優れたイスラムのガラス芸術吸収することにより誕生しました。
ヴェネチアガラスを”ムラノガラス”とも呼びますが、ムラノとはヴェネチア本島から北東約1.5kmにある島で、ここでガラス製造が集中して行なわれていたため”ムラノガラス”とも呼ばれています。ここもあの有名なスワロフスキーと同じようにその製法の秘密を守るためにヴェネチア本土からこのムラノ島に工房を移転したのだといわれています。
ムラノ島で制作されるガラス芸術は15世紀には 高級工芸品として価値を持ち始め16世紀には、ヨーロッパ全土で広く受け入れられ、流行していきました。ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」は、12人のムラノのマエストロ(職人)がヴェネチアから連れ出されて製作したといわれています。
こうしてその名をヨーロッパ全土に広めたヴェネチアガラスは、主に貴族や富豪のために特別に注文されたテーブルウエアを製作するために、大きくそのスタイルを発展させました。 そして、アイスクラック、ダイヤモンドポイント彫り、レースガラス、クリスタルなど多彩なカットの技法が次々に生み出されました。近世では、ガラス文化をヨーロッパ全土に広め、一時はヨーロッパ市場の90%を占有するほど成長しました。
そして現在、熟練したマエストロ(名人)達は息子からそのまた息子へとこの技術を伝承し、昔と変わらぬ伝統の技を活かしながらヴェネチアガラスは創り続けられています。機械での大量生産では出せない本物の味わいがそこにあります。
[出典]1stdibs.com
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