九谷焼中田一於 13号飾皿淡青釉裏銀彩桜文

by crafts_design · 公開済み 2018年3月4日 · 更新済み 2018年3月5日

幻想的で荘厳な美意識で溢れています。
心奪われる美しいブルーとシルバーの世界観。
日本を代表する伝統陶磁器工芸品「九谷焼」を代表する作家、「中田一於」の作品です。
釉裏銀彩（ゆうりぎんさい）と呼ばれる、銀箔を用いた技法で制作されています。

淡青で爽やかな中に深みを感じさせる澄んだブルーをベースに、釉薬の下に、桜をあしらったデザインで銀箔を貼り合せています。ブルーとシルバーの組合せがクールで月明かりのような美しさを醸し出しています。幽玄な佇まい。涼しげで現代的なスタイルとも言えます。

釉裏銀彩は、特定の形に切り取った銀箔を透明な釉薬の下に膠（にかわ）で張り、乾燥させて焼成させる技法。銀の濃淡を表現するために2枚、3枚と箔を重ね、模様を切り出し、その折に出た銀箔の溜りをならします。
何度も焼成を重ね、緻密で幾重もの工程を経て、銀の輝きは不変のものへとなります。

銀という素材の扱いは難しく、銀の宿命である酸化による変色をいかに回避するかが、銀を扱う技法では大きなポイントとなります。
釉裏銀彩では、釉薬で銀箔を閉じ込めることによって、酸化・錆などから守り、銀の美しさがそのまま保たれます。

同じく金属箔を利用した、人間国宝の吉田美統の技法「釉裏金彩」とは対照的。釉裏金彩の緑のベースに金色に輝く華やかさとは裏腹に、釉裏銀彩では、青と銀によるクールで落ち着いた美しさが魅力的です。

金彩があるなら、銀彩があってもよいのではないか。そんな思いで、中田一於が挑戦したのが、釉裏銀彩です。凛とした綺麗で落ち着いた表情を持ち、スポットなどで照らした時には、銀箔の部分が浮かび上がり、特に美しい輝きを見ることができます。

中田一於は、この釉裏銀彩による技法で、石川県指定無形文化財に認定されました。
2011年には、伝統工芸の保存・伝承に貢献したとして紫綬褒章を授与されています。
　

日本国内での「知名度」はもちろん、海外でも「ジャパンクタニ」と高い評価を受ける九谷焼。「赤、緑、黄、紫、紺青」の「５彩の色使い」で豪快かつ繊細に描かれる「色絵の表現力」は他に類がない、九谷焼「独特の魅力」です。
今も昔も、その「完成度の高さ」から、「大切な方への贈り物」や「特別な記念品」として、「個人の方から、企業の方」、さらに、「宮内庁御用達」の工芸品として大変重宝されています。
九谷焼は、敬老の日、金婚式、銀婚式の記念品・贈答品、父の日・母の日・誕生日プレゼントに、定年退職祝い、内祝い、還暦祝い、喜寿祝い、米寿祝い等の記念品として、人気の高い、陶磁器の名ブランド。

長い歴史を持つ九谷焼は、鮮やかな「九谷五彩」の中に、土に命を注ぎ上絵に心を込める職人のひたむきな情熱と豊かで細やかな感性が見事に調和して表現されており、日本を代表とする陶磁器として国内はもとより海外まで知られ、多くの人達に支持され親しまれております。