金工 萩野紀子 鍛矧合壺 「線」
線の集合が生み出す、うねりと動線。
ソリッドな魅力と動きを生み出す視覚の魅惑が印象に残ります。
この作品は、日本の金工作家、萩野紀子 (ハギノ ノリコ) による作品です。
平成28年、第63回日本伝統工芸展にて、日本工芸会会長賞を獲得した作品です。
萩野紀子は、線をテーマにした作品作りをしています。
同じ巾の線が形によって変化して見える。又、形によって線の巾が違って来る線の動きのおもしろさを金属の色のバランスを考え矧合せした作品にしています。そしてその作品の中に槌目を入れる事で、緊張感の中にもやさしさを、金属でありながら暖かさを感じるよう心がけて作っています。
曲線豊かな筐体デザインに、ソリッドな線が幾重にも施され、独特の動線と動きを生み出しています。光の具合で視覚的な錯視も生み出されています。モノ自体が回転しているような感覚。
スタイリッシュでもあり、非常にアーティスティックでもあります。
技法としては、「鍛金(たんきん)」と呼ばれる技法を用いています。
金属を叩き上げて形を作っていく技法で、木台の凹部の上で、板状の金属を木づちでたたいて曲げます。そのあと当金と言う色々な形の鉄の棒を木台にさし、だんだんと形を作ります。一つの作品ができあがるまでには何万回もたたきます。
作品の厚みが薄く仕上がり、軽くて丈夫。叩いた事が分からないくらいなめらかに仕上げたり、また、叩いた跡を残す事により、味のある仕上がりにもなります。
萩野紀子は、武蔵野美術短期大学卒業後、金工作家で鍛金・矧合せを作風とする人間国宝の関谷四郎に師事しました。日本工芸会正会員、埼玉美術家協会会員、巧匠会会員です。
[出典]ギャラリージャパン
[金工芸品関連 購入]Amazon.co.jp