金工 三代 畠春斎 茶釜 流水文四方釜
鋳物でありながら、柔和で優しい印象を持ちます。
三代 畠春斎(はたしゅんさい)による茶釜作品、流水文四方釜(りゅうすいもんよほうがま)です。
畠家は、400年来の鋳物を家業とする高岡銅器の名跡。
若き釜師、三代畠春斎は、伝統と歴史に対する敬意を払いつつも、新たな茶の湯スタイルの創造を模索しています。
そうして生み出される作品は、柔らかな稜線が印象的な心地良いフォルム、マッドな人肌の温もりを感じさせる品格ある佇まいが魅力です。
この流水文四方釜は、平成25年 第60回日本伝統工芸展にて、「NHK会長賞」を受賞した作品です。
底部から肩へ一気に向かう鋭い曲線。そして、伸びやかな四方の張り出しのゆったりした感覚とが見事に融合しています。生新さに溢れています。
控えめに施した流水文が清冽な音をわずかに響かせ、水滴及び渦を形象した鐶付と鈕とのバランスにも繊細な心遣いが見られ、茶釜の新しい造型を目指す努力と研鑽が実を結んだ作品。
この作品で使われている金工の技法は、「惣型(そうがた)」と言うもの。
砂と粘土をまぜた土で形の輪郭にあわせた型紙の板を直接回転させて、型を作ります。主に茶道で使われる茶の湯釜や、お寺のつり鐘などで用いられます。型から取り出した釜は、熱しながら漆やおはぐろなどを塗って、独特の美しい色に仕上げていきます。
三代畠春斎は、鉄を意識させない透明感のあるデザイン、そして伝統を守りつつ現代的な要素も取り入れた作品作りを心がけています。日本工芸会正会員。
[出典]ギャラリージャパン
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