オールドニッポンペディスタルカップ＆ソーサーデザート皿トリオコバルト帯金彩海辺風景図

by crafts_design · 2021年2月7日

和洋折衷。西洋への憧れと和の慈しみ。
日本を代表する洋食器の名ブランド、「ノリタケ」が、「日本陶器会社」と言う名前だった頃、明治期から戦前までに欧米に輸出した陶磁器を、通称「オールドノリタケ」と呼ばれます。
花瓶や置物などの装飾品と洋食器などのテーブルウェアが主体で、特に芸術的な絵付けや繊細な細工などで知られます。今でも収集家が多く、高い評価を得ています。

そして、この同時期に他社でも同じように欧米への輸出用に金彩の施された煌びやかな陶磁器がつくられました。これらは、「オールドニッポン」という呼ばれ方をする事が多いです。オールドノリタケとオールドニッポンの割合は50：50とも言われます。
また、そのクオリティ、出来栄えは、オールドノリタケとも遜色ない、素晴らしい秀逸な作品が多くあります。

今回ご紹介しているのはその「オールドニッポン」のカップ＆ソーサー＋デザート皿のトリオセットです。

エレガントなペディスタルスタイル。
深いコバルト帯を基調としたエレガントなペディスタルにアールヌボー様式の優美な器体に手書きされた金彩ガーランド装飾と、水辺風景図の輝くような美しい色絵が非常に格調高く芸術性の高い作品です。
カップ＆ソーサーには穏やかな水辺の美しい夕暮れ風景画、デザートプレートには日に照らせされ輝くような風景が描かれるなど、非常に趣向と工夫を凝らした設えとなっています。器体縁のコバルトの中には小さな渦巻紋様が精緻に添えられ、ふっくらとした器体や、細やかで優美な装飾の秩序ある姿はとても美しく、随所に当時の職人の高度な技が込められた、コレクションとして価値のある品です。