リモージュ デミタス カップ&ソーサー ブルー アラベスク模様 金彩
( Limoges Demitasse Cup & Saucer Blue Arabesque Gold Guilded )
鮮やかなブルーのアラベスク模様が目を引きます。
斬新な構図と、伝統と品格に培われた上品感。
フランスの、世界的に名高い高級陶磁器、「リモージュ (Limoges) 」の気品溢れる美しいカップ&ソーサー。
稀少なアンティーク・中古品となります。アンティークコレクターに人気の高いリモージュ。
品格香る美しい白磁に、 ブルーを基調としたアラベスク模様の装飾と、豪華な金彩が施されており、上品さに溢れています。
アラベスク模様とは、イスラム礼拝所であるモスクの壁面装飾にみられる美術様式の一つ、もしくはそれをモチーフとした模様の事で、
唐草模様を代表とする植物のツタなどが絡まった反復する模様です。
このアラベスク模様を大胆で斬新な構図で構成しています。ブルーを基調とした色合いも魅力的で、目を引きつけられる空気感に包まれます。
この装飾の組み合わせが、フランスらしい、リモージュらしい気品とエレガントさを演出。伝統に培われた高い技術と品質でハンドメイドで仕上げられた芸術的価値の高い作品です。
フランスの首都パリから南南西に260キロ、、ヴィエンヌ川のたもとに広がる古いフランスの街「リモージュ」で生み出される陶器「リモージュ焼」。
古くは七宝焼きの都として栄え、現在でも磁器の都として知られています。リモージュ焼の特徴は、白くきめの細かい肌にあります。
1766年に純白のカオリンが発見された後、ナポレオン3世時代にはリモージュは世界一の陶磁器を創る街として広く知られるようになり、以降独自の生産活動も活発となりました。
陶器の街「リモージュ」
『リモージュ』は、焼き物や七宝焼の街として世界的に名高いフランス・リムーザン地方の中心都市です。街の美術館にはリモージュ焼をはじめとする世界各地の陶器が展示されている、まさしく陶器の街です。ガリア=ローマ時代から交通の要所として発展し、中世にはスペインへの巡礼者で賑わっていたこの地に、1771年初めて窯が開かれたことからリモージュ焼の歴史が始まります。
“白い宝石”とフランス
ヨーロッパに焼き物を紹介したのは、ヴェネツィアの商人・マルコポーロでした。当時、焼き物で最も高度な技術を持っていたのは中国や日本でしたが、彼によって東洋の磁器が西洋にもたらされた後、オランダ東インド会社により盛んにヨーロッパへ輸入されるようになりました。ヨーロッパの人にとって、白く美しく、ガラスの様に薄く繊細な磁器は“白い宝石”と呼ばれ、当時の王侯貴族が皆こぞって磁器を買い集めていました。18世紀初頭、ファッション・芸術文化の中心と自負をしていたフランスは、この磁器を自国で造れないかと考えていましたが、ドイツの小国であるザクセンに先を越されてしまいます。このとき創られた窯が“マイセン”で、1709年の事でした。
同じころフランスは軟質磁器のセーブル焼で名声を博していました。セーブル焼はパリ郊外のセーブルという街にある『セーブル王立磁器製作所』がもとですが、その歴史は古くマイセンと並ぶヨーロッパでは最も歴史の古い窯です。軟質磁器ですが、当時の国王の寵愛を受けたポンパドール婦人や、王妃マリーアントワネットなどの影響を受け、贅を尽くした金彩や華麗な装飾技術を生み出し、その美しさと名声は他を圧倒しました。その名声のさなかでありながらも、フランスは何としてもマイセンと並ぶ硬質磁器を創りだそうとしていました。門外不出であった硬質磁器のマイセンの製法を何とか掴んだものの、原料の『カオリン』と呼ばれる石英が風化した鉱物を国内に見つける事ができませんでした。
カオリンの発見とリモージュ焼の誕生
しかし、1768年にリムーザン地方でカオリンが発見された事により状況は一変します。カオリンと呼ばれるこの『中国と同じ白陶土』がリモージュの街で見つかると、まずセーブル王立磁器製作所に運ばれました。しかしカオリンがセーブルに運ばれる様子を見ていたリモージュの人々は自分達で製造しようと考え、1771年に窯を興しました。
当時のリムーザン知事であったトウルゴは、磁器工場を設立して硬質磁器という新しい産業を世界に通用する地域産業に発展させようとしました。その資本はグルレ兄弟という2人の実業家によってもたらされ、1771年からリモージュで硬質磁器が製造されるようになりました。もともと『エマイユ』と呼ばれる七宝焼きやステンドグラスの技術を持っていたリモージュ窯は、瞬く間に華麗な焼き物を焼き始めます。1774年には製陶所はアルトワ伯爵(後に国王シャルル10世)の保護下におかれるようになりました。
フランス革命でセーブルの工場が閉鎖されると、その技術者の多くはリモージュへと移り、多くの優れた窯が生まれ、市民向けのテーブルウエアが創られるようになりました。リモージュで製作、絵付けされた食器はパリの磁器と競い合うこととなり、パリの2人のブロンズ製作者がリモージュに製陶会社を設立した事によりリモージュの磁器は食器だけに留まることなく芸術磁器へと拡大し、置時計や彫刻、装飾花瓶、シャンデリアまで作られました。19世紀後半はリモージュ焼にとって黄金時代といえます。万国博覧会などの国際的催しは、出品者たちの名声と事業を広げることを可能にしました。また、作品に必ず窯印をつけるようになったのもこの頃からでした。
メイドインフランスへのこだわり
リモージュ地方の上質のカオリンを惜しみなく使い、12世紀から続く七宝焼き(エマイユ)の技術も取り入れながら白磁の質の追求を続けるリモージュ焼。研究を重ねた結果、濃紺からローズ、ブラウン、イエローまで多彩な色を表現することを可能にしました。自国以外の国に生産拠点を移すことが多くなったヨーロッパ陶磁の中でも、優美な色使いの手軽な焼きものを未だフランスで作り続けることにこだわり続けています。
[出典]CRAFTS DESIGN SHOP
[リモージュ 購入]Amazon.co.jp