九谷焼 石川県指定無形文化財 中田一於 淡青釉裏銀彩 花瓶
凛とした美しさと品格。そして荘厳で幽玄です。
九谷焼の石川県指定無形文化財の人気作家、中田一於による気品溢れる芸樹的価値の高い貴重な美しい花瓶作品。
中田一於らしい、緻密に繊細に組み上げられた、丁寧な仕事です。
中田一於の特徴である、釉裏銀彩(ゆうりぎんさい)と呼ばれる、銀箔を用いた技法で丹念に仕上げられた作品です。
釉薬の下にデザインした銀箔を貼り合せ、とても涼しげで現代的なスタイルを確立しています。銀箔特有の淡い、渋い色調が品格をただよわせます。
その美しさの特徴は、月夜に青白く光り輝く花々を思わせる、ブルーとシルバーを基調とした、繊細でクールな佇まい。
九谷焼は色々な技法が画風が存在するのが大きな魅力ですが、本作品も、そうした九谷焼らしさを非常に感じさせます。
九谷の魅力を存分に堪能できる逸品です。
釉裏銀彩は、特定の形に切り取った銀箔を透明な釉薬の下に膠(にかわ)で張り、乾燥させて焼成させる技法。銀の濃淡を表現するために2枚、3枚と箔を重ね、模様を切り出し、その折に出た銀箔の溜りをならします。
何度も焼成を重ね、緻密で幾重もの工程を経て、銀の輝きは不変のものへとなります。
銀という素材の扱いは難しく、銀の宿命である酸化による変色をいかに回避するかが、銀を扱う技法では大きなポイントとなります。
釉裏銀彩では、釉薬で銀箔を閉じ込めることによって、酸化・錆などから守り、銀の美しさがそのまま保たれます。
その作風は、クールでモダン。そして高貴な気品と静寂で繊細な美しさに包まれます。凛とした綺麗で落ち着いた表情を持ち、スポットなどで照らした時には、銀箔の部分が浮かび上がり、特に美しい輝きを見ることができます。
壷や皿などの器体に銀彩で表現された草花や幾何学的模様は、落ち着いた輝きを放ち、従来の九谷焼にはない清涼感と気品が漂います。
中田一於は、次期人間国宝と噂される、期待の作家。釉裏銀彩の技法で、石川県指定無形文化財に認定され、2011年には、伝統工芸の保存・伝承に貢献したとして紫綬褒章を授与されています。
[出典]CRAFTS DESIGN SHOP
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