ファベルジェの卵 百合の花束時計 1899

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ファベルジェの卵 百合の花束時計 1899 ( Fabergé Imperial Eggs Bouquet of Lilies Clock 1899 )
( Fabergé Imperial Eggs Bouquet of Lilies Clock 1899 )

宝飾・金細工の最高峰、ロシアの貴金属工芸の名作シリーズ、ファベルジェの卵です。
歴史上屈指の工芸美術品とも言われる、ファベルジェの卵は、ロシア王室ご用達であった、宝飾・金細工師、ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) による、ロシア王室の為に制作したイースター・エッグです。このエッグ作品は、毎年のように制作され、1885年から1917年の間に58個作成されたとされています。
今回は、1899年に制作された、「百合の花束時計(Bouquet of Lilies Clock、または、Madonna Lily Clock Eggとも呼ばれます)」です。

ロシア帝国の皇帝ニコライ2世からの依頼で1899年に制作されました。皇后アレクサンドラ・フョードロヴナに贈呈されたものです。
エッグの表面は、薄いピンク色のエナメルで覆われており、ゴールドの装飾が施されています。
エッグの外側には、リアルに再現された百合の花のデザインが散りばめられています。これらの百合の花は、ダイヤモンドやパールで装飾されています。

百合の花は、純粋さと高潔さの象徴とされており、皇后アレクサンドラの美徳を象徴しています。
「百合の花束時計」は、ファベルジェの作品の中でも特に有名で、優れた工芸技術と芸術性を示しています。このエッグは、1917年のロシア革命後、他の多くのファベルジェの作品と共に失われる危険に晒されましたが、幸いなことに現存しています。

このエッグは花の象徴的な言葉を使っています。バラ(愛の象徴)とユリ(純潔と無邪気さの象徴)を燃える松明と組み合わせ、その炎が豪華な葉の渦巻き模様に変化することで、家族愛の高潔な炎を暗示しています。18 世紀後半のフランスの時計がベースになっています。

長方形の台座と卵形の時計は、ギョーシェ模様の地に半透明のイエローゴールドのエナメルで装飾されています。ルイ16世様式を模したこの時計は、白い玉髄から彫られた繊細なユリの花束で飾られています。花の雌しべには3つの小さなダイヤモンドがはめ込まれ、葉と茎は淡い金色です。ユリは、グリーンゴールドの葉が付いた赤と黄色の金とプラチナのバラの円から生えているように見えます。

時計の本体は、ダイヤモンドをちりばめたストライプで縁取られた12の部分に分かれています。ダイヤモンドの時計の針は、固定された台座から突き出ている矢印の形をしています。ダイヤモンドと不透明な白のエナメルで覆われたベルトには、12個のダイヤモンドがセットされたローマ数字が付いており、卵の周囲を回転して時間を示します。台座は、赤と緑の金のバラやその他の装飾で飾られています。

エッグの製造年である 1899 年が、台座にダイヤモンドで刻まれています。両側を支える装飾的なハンドルは、赤と緑の金でできており、ローズカットのダイヤモンドで装飾されています。機構を巻き上げるために、溝の入った金の鍵が使用されました。

このエッグは、1902年にサンクトペテルブルクのフォン・デルヴィス邸で初めて展示されましたが、1927年に武器庫博物館に送られて以来、クレムリンの外で見られたのは2回だけです。1989年にカリフォルニア州サンディエゴで、武器庫博物館のファベルジェの卵と西洋の収集家が所有する卵が再会した展示会と、1994年にイタリアのトリノで開催されました。

このエッグのサプライズは現在行方不明ですが、当時の写真から、ローズカットのダイヤモンドが付いた ルビーのペンダントだったことが分かっています。1953 年のファベルジェのアーカイブ写真が現存しており、この写真には、このエッグに添えられていた、紛失したルビーとローズ ダイヤモンドのペンダントが写っています。

現在はモスクワのクレムリン武器庫博物館に所蔵されています。
 

ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) とは19世紀末から20世紀初頭にかけてロシア王室ご用達となった宝石商・金細工師です。
インペリアル・イースター・エッグでよく知られています。
ファベルジェがロシア王室の注文を受けて製作された数多くの宝飾品や飾り物、文房具、時計等、膨大な工芸品が残されています。

ロマノフ家のアレクサンドルIII世とニコライII世の注文でそれぞれの皇后と母后のために製作されたインペリアル・イースター・エッグと呼ばれる作品群はその独創性に溢れる美しさと、精緻を凝らした仕掛けとで歴史上屈指の工芸美術品として名高いものです。
ファベルジェの卵とも言われます。
1885年から1917年の間に58個作成されたとされますが、数については異説もあります。
現存が確認されず、行方不明となっているものも多くあります。

ファベルジェの卵 百合の花束時計 1899 ( Fabergé Imperial Eggs Bouquet of Lilies Clock 1899 )

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[出典]Alexander Palace Time Machine, Wikipedia(en)
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